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皆さんは、競馬の脚質と聞いてなにが思い浮かびますか?
大体の方が、逃げや追い込み・差しが思い浮かぶのではないでしょうか。
その中でも、逃げの脚質を持つ競走馬の成績が優秀と言われていますが、実は最も優秀な脚質は「まくり」なのです。
とはいえ、まくりと聞いていまいちピンと来た方は少ないはず。
ということで今回は「競馬のまくり」についてご紹介!
特徴や違い・メリット・デメリットまで徹底解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
そもそも、競馬のまくりとはどういったものでしょうか。
ご紹介します。
競馬のまくりとは、道中を先頭・中団・後方の3つに分け、2・3コーナーともに後方にいた馬が4コーナーで先頭に位置した場合の脚質です。
ただ、これに明確な定義があるわけではありません。
道中で後方にいた馬が、3・4コーナーにかけて先頭グループに進み、その勢いのまま攻めきるのがまくりと言えば簡単でしょうか。
文字の通り、まくりは非常に鮮やかなもの。
大逃げなどと同じく、競馬の魅力をかきたてる脚質の1つと言えます。
競馬の脚質を「先行」「逃げ」「差し」「追い込み」「まくり」の5つに分類し、それぞれの脚質における成績を調査した結果、非常に興味深い成績が浮かび上がりました。
以下は、5つの脚質別の競走成績です。
勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | |
---|---|---|---|---|
逃げ | 18.6% | 39.9% | 216% | 135% |
先行 | 13.8% | 38.1% | 116% | 111% |
差し | 4.7% | 11.0% | 47% | 66% |
追い込み | 1.5% | 6.7% | 19% | 29% |
まくり | 22.0% | 50.9% | 231% | 145% |
競馬においては「逃げ馬が最も有利」と呪文のように言われ続けています。
しかし、この数値をみてはっきり分かる通り、実はまくり型の馬の方が非常に優れた成績を持っているのです。
よって、逃げ馬よりもまくり型の馬で勝負することは、有効的な方法の一つであることが分かります。
「まくり」という脚質の定義は非常に曖昧で、通常は差しや追い込みと同様の脚質とされます。
一方で、実際の競馬データを分析してみると「まくり」は人気順位が非常に高いです。
このことから「まくり」の中には、他の競走馬と比較して一歩抜きん出た実力を持つ馬が多いと言えるでしょう。
競馬のコースには、直線の長い競馬場や直線の短い競馬場などがあり、直線の短いコースでは末脚だけでは勝つのが難しいことがしばしば。
そのため、コースの直線の短さをカバーするため、大外から追い込むために「まくり」を行っていると言えます。
したがって、競馬場のコース形状に合わせて「まくり」がどの程度効果的であるかを考えることが重要です。
2021年の「まくり」が成功したレースを、競馬場ごとに検証してみると興味深い傾向が浮かび上がります。
東京競馬場のように直線が長い競馬場では、まくりの成功例が比較的少ない傾向が見られます。
一方で、阪神競馬場など直線が短い競馬場ではまくりが成功するケースが多く、小倉競馬場のようなレース数が限られている競馬場でもまくりが決まる機会が比較的高いことがわかりました。
以下は、2021年の競馬場ごとのまくりの成功回数をまとめたデータです。
芝・ダート | 芝 | ダート | |
---|---|---|---|
阪神 | 64回 | 22回 | 42回 |
小倉 | 51回 | 32回 | 19回 |
中京 | 46回 | 21回 | 25回 |
中山 | 39回 | 21回 | 18回 |
新潟 | 37回 | 12回 | 25回 |
函館 | 26回 | 16回 | 10回 |
札幌 | 21回 | 8回 | 13回 |
東京 | 19回 | 16回 | 3回 |
福島 | 15回 | 5回 | 10回 |
2021年のまくりの傾向を競馬場ごとに調査してみると、芝とダートのコースタイプによって大きな違いが見受けられます。
中山・中京・札幌・福島競馬場など一部競馬場では、芝とダートにおいて大きな差は見られません。
しかし、他の競馬場ではコース特徴がまくりの成功に影響を与えていることが分かります。
例えば、阪神競馬場や新潟競馬場などは芝の外回りコースが直線が長いため、ダートよりも芝のレースでまくりが成功することが多い傾向。
逆に、直線の長い東京競馬場ではダートの方がまくりの成功例が減少しています。
また、小倉競馬場は向こう正面から4コーナーにかけて下り坂となる特殊なコース。
この競馬場でも、ダートと芝において同等の条件が揃っているはずですが、実際のデータでは芝のレースにおいてまくりが圧倒的に多いことが示されています。
このように、まくりを狙うときは、競馬場ごとの特徴とまくりの相性を理解して上で馬券購入に生かすことが重要です。
では、まくりが有利とされるコースについて詳しく見てみましょう。
まず、まくりの成功は非常に稀なことを理解しておかなければなりません。
2021年のデータによれば、競走馬がまくりを成功させたのはわずか318回で、全体の競走回数に対して0.7%と非常に低い割合です。
まくりは基本的に1,400m未満の短距離競走ではあまり見られず、データ上では1,400mの競走で僅か2回の成功例がありますが、316回のまくりのほとんどは1,600m以上の距離でのもの。
つまり、まくりは短距離競走よりも中長距離競走で成功する傾向があります。
2016年のデータを元に、競馬場ごとの1,600m以上のまくりの成功件数を調査してみました。
以下は競馬場ごとの条件と成功回数です。
全体 | まくり回数 | 割合 | |
---|---|---|---|
函館競馬場・芝 | 625件 | 16回 | 2.5% |
小倉競馬場・芝 | 1,418件 | 32回 | 2.2% |
阪神競馬場・ダート | 1,831件 | 41回 | 2.2% |
札幌競馬場・ダート | 644件 | 13回 | 2.0% |
福島競馬場・ダート | 526件 | 10回 | 1.9% |
函館競馬場・ダート | 537件 | 10回 | 1.8% |
新潟競馬場・ダート | 1,543件 | 25回 | 1.6% |
小倉競馬場・ダート | 1,240件 | 19回 | 1.5% |
札幌競馬場・芝 | 553件 | 8回 | 1.4% |
中京競馬場・ダート | 1,886件 | 25回 | 1.3% |
上記のデータは、2021年の競馬場とコースの優秀なまくり成功例をトップ10まで集計したものです。
一般的に、まくりは直線の長い競馬場よりも、小回りの競馬場で成功しやすいとされています。
このデータからも、いくつかの競馬場とコースがまくりに適していることが分かりますね。
特に、函館競馬場の芝とダート、小倉競馬場の芝、阪神競馬場のダート、札幌競馬場のダートの条件でまくりが多く成功。
これらの競馬場とコースではまくりが高い確率で決まる可能性が高いことが分かります。
一方、新潟競馬場はダートで高い数値を示していますが、芝ではトップ10に入っておらず平均よりも低い数値に。
福島競馬場は、ダートの数値は平均よりも高いものの芝の数値は低く、まくりの成功率は高くありません。
競馬場とコースの選択は、まくりの成功に大きな影響を与えることが明らかです。
したがって、まくりを狙う場合、特に阪神競馬場のダート、小倉競馬場の芝、函館競馬場の芝、札幌競馬場のダート、福島競馬場のダートなどの条件が高い競馬場とコースを重点的に考慮することが重要と言えるでしょう。
逆に、まくりの成功率が低い競馬場やコースは、まくりを期待するのは避けるべきです。
ここまで、競馬のまくりについて詳しく紹介してきました。
実際にまくりの脚質を持つ競走馬を買ってみようと思ったかもしれません。
ですが、物事にはメリットとデメリットがつきもの。
それは、競馬のまくりにおいても同様です。
競馬のまくりにはどういったメリットとデメリットが考えられるのでしょうか。
詳しくご紹介します。
競馬予想において、まくりの馬を選ぶことにはいくつかのメリットがあります。
まず、まくりは競馬の醍醐味であるサプライズ要素を引き立てることです。
まくりを持つ馬は、現状あまり人気がありません。
これにより、まくり馬が勝利する意外性にワクワク感が高まり、競馬がより楽しくなります。
また、まくりの馬が1着になることで、高額の配当金を獲得できる可能性も高まるので予想が的中した時の喜びが大きくなるでしょう。
次に、まくりの馬を選ぶことは戦略的な要素も含みます。
レース展開やライバル馬とのポジショニングを考慮し、どのタイミングで仕掛けるかを考える必要があるということです。
これは競馬予想を単なる運の要素だけでなく、知識と戦術の要素を取り入れた頭脳プレーが必要であることを示しています。
まくりの馬を選ぶことは、競馬予想のスキルアップや思わぬ高配当を獲得できるなど様々なメリットがあるのです。
もちろん、まくりの馬を買うことはメリットだけではありません。
まくり馬を選ぶ際に直面する大きなデメリットは、その出現頻度が非常に低いこと。
つまり、買おうとしている馬がまくりを仕掛けるかどうかを見極めるのが難しい点です。
例えば、まくりは数値的に考えると100回のレースで1回程度の確率しかありません。
そのため、まくりを狙うには相当な運や判断力が必要ということが言えるでしょう。
さらに、まくりを成功させるためには戦略が必要で、外側から進出するというリスクが求められます。
例えば、コーナーで外側に回る代わりに、内側を選び直線での力強い勝負を狙う方が騎手にとってはリスクが低いです。
そこをまくりを選ぶことで、先頭を走る馬とのスタミナ勝負になり直線で失速する可能性もあります。
また、前の馬を追い抜いても、最後に後続馬に差されるリスクもあることは覚えておかねばなりません。
つまり、まくりはレース展開に大きく影響されるため、まくりができるかどうか判断するのが極めて難しいと言えるでしょう。
この難しさが、まくりの馬の選定において大きなデメリットとなります。
今回は「競馬のまくり」についてご紹介しました。
まくりは、競馬の脚質の中で最も優秀と言われているもの。
この脚質を持つ馬を選ぶことで、高い配当を得られるというメリットがあります。
しかし、デメリットとして、その出現頻度が低く、選んだ馬がまくりを行えるかどうかを予想するのが難しい点が挙げられます。
また、まくりを成功させるには戦略とスタミナが必要であり、リスクも伴うことから慎重に選択する必要があるのです。
レース展開に左右される脚質のため、まくりは予想が極めて難しいと言えるでしょう。
ただ、それでも運や判断力を駆使すれば、まくりの馬を買って高配当を狙うことは競馬の醍醐味の一つと言えるかもしれませんね。
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