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競馬は、競走馬や競馬場ごとの特徴や出走頭数の多さ、騎手の力量など様々な側面があり見ていて面白い競技です。
その中でも、直接競技に関わることができる「馬主」は、他の公営競技では見られない一面と言えるのではないでしょうか。
競馬ファンであれば、馬主はお金に余裕がある方がなっているイメージがあると思います。
この背景として、馬主になるために様々な条件が設定されているためです。
今回は、そんな「競馬の馬主」について徹底解説します。
年収や条件・稼ぎ方などより深掘ってご紹介。
これを見れば、競馬の馬主についてより一層理解できるでしょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
そもそも、馬主とは一体どういったものでしょうか。
全く知らない方もいると思うので、詳しくご紹介します。
馬主とは、読んで字の如く競馬馬の所有者のこと。
馬主は、競馬馬を購入してトレーナーや調教師と協力して馬の健康と調子を管理し、レースに出走させる決定を下します。
馬主が所有する馬が競走で好成績を収めると、馬主は賞金や名声を獲得することができるのです。
日本の競馬は、皆さんご存知の通り競馬法に基づいて大きく2つのカテゴリーに分かれています。
それは、地方競馬と中央競馬です。
地方競馬は、日本中央競馬会(JRA)と地方競馬全国協会(NAR)によって監督され、地方公共団体と都道府県・市町村が協力して運営される形態。
一方、中央競馬はJRAが主催し、国が出資する特別法人として運営されており、政府が打ち切らない限り存続が続く仕組みです。
これら2つの競馬カテゴリーを比較すると、明確な差が見受けられます。
中央競馬はスケールが大きく、賞金も高額なため高品質な競走馬がほとんど。
そのため、競馬の世界に参入する際、地方競馬と中央競馬のどちらを選ぶかによってそのハードルが大きく変わってきます。
馬主としての登録方法は、地方競馬と中央競馬の両方で3つの異なるカテゴリーが存在します。
この多彩な登録オプションにより、競馬業界での参加方法が多様化し馬主としての活動における選択肢が広がっています。
以下では、それぞれの登録形態について詳しく掘り下げてみましょう。
個人馬主は、競馬界において最も一般的な登録形態。
個人がそのまま馬主として登録される方法で、地方競馬の馬主の約9割と中央競馬の馬主の約8.5割を占めています。
馬主活動を行うために、3人から10人の仲間が力を合わせて競馬事業を運営する方法が組合馬主です。
この方法は、組合員たちが出資し、共同で競走馬の所有と運営を行う契約を結ぶ形式。
それによって設立されるのが馬主組合です。
友人や仲間と競馬活動を共に楽しみたい方にとって理想的な選択肢と言えるでしょう。
法人馬主は、競馬において法人組織が競走馬の所有と運営を行う登録形態です。
競馬事業を行っている法人や企業が競走馬を所有し、それに関連する活動を行うために登録するもの。
これによって、競走馬の育成や出走にかかる費用を法人が負担することを可能にしています。
これまで、馬主のさまざまなカテゴリーについてご紹介しました。
次に、馬主になるために必要な要件について詳しく説明していきます。
馬主として登録するには、どのような条件やステップをクリアする必要があるのでしょうか?
それについて分かりやすくお伝えします。
馬主として登録するには、経済的な要件が求められます。
これらの要件は、年収ではなく所得に関連していますので注意が必要です。
地方競馬の馬主として登録するには、所得が500万円以上必要。
一方、中央競馬の馬主になるためには、将来的にも持続的に得られる見込みのある所得が直近2年間で1,700万円以上必要です。
さらに、資産保有額が7,500万円以上必要です。
言い換えれば、地方競馬の馬主になるには年収が約700万円程度あれば十分に可能ですが、中央競馬の馬主になるには非常に高額な所得が必要ということ。
このため、中央競馬の個人馬主になるには、かなりの資産を持っている資産家でない限り難しいでしょう。
組合馬主も、馬主登録のために必要な経済的条件は地方競馬と中央競馬で異なります。
【地方競馬の条件】
【中央競馬の条件】
組合馬主登録に必要な経済的条件は、個人馬主登録に比べて緩和されています。
馬主登録には、法人の場合も特定の要件があり、その条件は地方競馬と中央競馬で異なります。
【地方競馬の条件】
【中央競馬の条件】
法人馬主になる際は、経済的条件や登録手続きがその他の馬主とは違うので注意しましょう。
もし条件をクリアして馬主になるとしても、馬主としての活動には相当な費用が必要です。
では、馬主活動に掛かる費用は具体的にどれくらいなのでしょうか。
詳しくご紹介します。
もちろん、馬主になるためには、各競馬協会に登録申請を行う必要があります。
この手続きには登録料が必要で、1万円かかります。
馬主として活動するには、競走馬を取得する必要があります。
競走馬の価格は多くの要素によって変動。
例えば、馬の性別・血統・年齢などが価格に影響を与えます。
直近のデータを見ると、2023年のセレクトセールでは、平均的な競走馬の落札価格はおよそ6188万円で、最高価格は3億1000万円を記録。
このセール全体での競走馬の総額売却額は、過去最高の133億6,500万円に達しました。
競走馬を購入し、馬主としての活動を始めたら維持費用にも気を配る必要があります。
馬の飼育と管理には、育成牧場や厩舎への預託費用が発生するのです。
地方競馬の場合、月額で約15万円から50万円。
中央競馬の場合、月額で約60万円から70万円が一般的です。
これを年間に換算すると、地方競馬で約300万円から約780万円かかることになります。
言い換えれば、馬主としての活動にはかなりの財政的な負担が伴うことが分かるでしょう。
馬主になるには、相当な覚悟と財力が不可欠です。
馬主として、競走馬に出資するためには相当の資金と経験が必要です。
それでも、魅力的な馬に出資したいと考える人に適した選択肢が一口馬主に出資することです。
一口馬主制度は、馬主になるためのハードルが低くなっており馬主気分を気軽に楽しめます。
この制度では、馬を一定金額で購入し、多くの出資者に口分けして所有。
例えば、1,000万円の馬を100口に分ければ、1口あたり10万円の出資金が必要です。
レースで獲得賞金の80%が馬主の収益となり、それが出資者に配分されます。
出資者の口数に応じて分配されるので、少額出資でも収益を得るチャンスがあるのです。
しかし、一口馬主には月々の維持費用もかかります。
これは出資金額や出資口数によって変動し、1口あたり約4,000円から15,000円程度です。
そんな中で一口馬主で稼ぐには、強い馬に出資する必要があります。
しかし、言わずもがな馬の実力を見極めるのは難しく、成功率は極めて低いと言えるでしょう。
一口馬主は馬主気分を味わうための楽しい選択肢ですが、投資として本格的な稼ぎを追求するには高いリスクが伴うギャンブルと言えます。
個人馬主の場合、競馬で生じた赤字を本業の利益と相殺して税金の節約が可能です。
ところが、一口馬主にはこのような税金対策が利用できません。
なぜなら、一口馬主の収益は雑所得として処理されるためです。
つまり、一口馬主はクラブ側の馬主となり、クラブ側からの出資配当を受け取る形となり、その収益は雑所得に計上されます。
雑所得は、黒字の場合に20万円以上の金額が課税対象となりますが、赤字の場合は収益がゼロに。
したがって、一口馬主が赤字の場合は他の所得との損益通算はできないため、一口馬主による税金対策が現行制度では実現できないということです。
前述の通り、1口馬主が投資として大きな利益を得るのは難しいことが分かりました。
しかし、1口馬主制度には他にも魅力的な要素が存在します。
それは、自分の出資馬がレースで成功を収めたり、勝利を喜び合うことができる特別な体験ができること。
ここでは、一口馬主クラブの中でも競馬ファンから人気なものをご紹介します。
それぞれについて、詳しく深掘って見ていきましょう。
社台系一口馬主は、日本で最も大手で信頼性の高い競走馬牧場、社台グループが運営する一口馬主クラブ法人です。
ここでは、出走馬の血統・厩舎・騎手など、馬のケアに関するすべての側面が非常に高い水準で管理されています。
社台系一口馬主には、いくつかの有名な一口馬主クラブ法人が存在します。
以下はその中でも特に有名な4つのクラブ法人です。
これらのクラブは年々馬主勝利数で上位に位置し、多くの名馬を輩出してきました。
近年では、アーモンドアイ・ジェンティルドンナ・オルフェーブルなどのトップ競走馬がこれらのクラブから誕生しており、その実績は圧倒的です。
社台系一口馬主法人の特徴として、募集金額が他の一口馬主法人と比べて高いことが挙げられます。
したがって、競争が激しくなることもありますが、その分馬の品質と実績はトップクラスで多くの競馬ファンから高い評価を受けているのです。
友駿ホースクラブは、1968年に設立され、日本で初めて一口馬主クラブ法人として誕生しました。
このクラブはシチーの冠名で知られており、社台系一口馬主法人とは一線を画す存在です。
友駿ホースクラブは、血統の面で社台系には及ばないかもしれません。
ですが、その中でタップダンスシチーとエスポワールシチーという2頭の10億円ホースを生み出すなど、高い実績を誇っています。
特にエスポワールシチーは、2005年から2013年までの活躍で1口募集金額2.4万円に対し、1口あたりの賞金総額が204万円という歴代で最も高い回収率を記録。
友駿ホースクラブは、他の一口馬主法人に比べて募集金額や維持費が低く、競争率も低いため手軽に出資が可能です。
そして何より、少ない出資金で大きな成功を収めた実績が2回もあることが、友駿ホースクラブを利用する魅力の一つでしょう。
DMMドリーム倶楽部は、株式会社DMM.com証券が2017年にスタートさせた新しい一口馬主法人です。
初めて設立された際、一口あたりの出資口数が1万口という大規模なもので、わずかな投資と低い維持費で出資できる点が大きな魅力でした。
しかし、2021年現在では出資口数が2000口に縮小し、一口あたりの出資金は1,000~2,000円程度です。
DMMドリーム倶楽部の大きな魅力の1つは、月額のランニングコストがわずか約1,200円で済む点です。
また、設立当初から高い水準の競走馬を生み出しており、初年度からGI馬「ラヴスオンリーユー」を輩出するなど、募集馬のレベルが非常に高いことも特筆すべき特徴でしょう。
他にも低出資の一口馬主法人は存在しますが、出資金の低さから配当金額が非常に限られる(全体の0.05%程度)ため、基本的には収益を求める投資ではなく、馬主の気分を味わうことを目的とした選択と言えます。
一口馬主の魅力を楽しみながら、出資馬が大レースで活躍する瞬間を楽しむ人にとって、DMMドリーム倶楽部は非常におすすめの一口馬主法人です。
馬主活動に伴う費用について考えると、気が重くなってしまったかもしれません。
ここからは、馬主が年収としてどれくらい稼げるのかについてもお話ししましょう。
馬主としての稼ぎ方は、大まかに以下の3つに分類できます。
それぞれ詳しく説明します。
賞金の対象は競走中の1着から5着に入った競走馬たちです。
競走ごとに賞金額は異なり、レースの格によっても変動。
賞金全体の約60~70%が馬主に配分され、その収益が支払われます。
競馬では、1着から5着以外の着順(重賞競走では10着まで)に入った競走馬には「出走奨励金」という支援制度が用意されています。
この出走奨励金は、着順によって1着の賞金額に対して8%2着に7%、3着に6%、4着に3%、5着に2%(JRAの場合)の割合で計算され支払われているのです。
賞金と比べるとその金額は小さく感じるかもしれません。
ですが、馬主にとっては確実に収入を得る機会となります。
馬主たちは、出走奨励金も含めて馬たちが頑張ってくれることを期待し、その成績に応じて稼ぎを築いていくのです。
出走した競走馬には、無論のこと、出走手当と呼ばれる特別な支援が用意されています。
この出走手当は、各レースごとに約40万円ほどの金額が支給。
したがって、競走馬が多くのレースに出場するほど、出走手当による収入が増加することになるのです。
この出走手当は、競走馬の持ち主にとって貴重な収入源となり、馬主たちは馬たちが積極的にレースに参加して手当を得ることを期待しています。
今回、競馬ファンにとっての夢の一つである「馬主」について詳しく解説しました。
馬主になるためにはさまざまな方法があり、それに応じて要件や経済的な側面が大きく異なることがお分かりいただけたでしょう。
馬主活動が必ずしも儲かるビジネスとは限りませんが、自分の所有馬がレースで輝く瞬間を味わうことは馬主でなければ経験できない特別な喜びです。
もし馬主になる余裕があり、自分の夢に投資したいと考えている方がいるのであれば、馬主活動は検討に値する魅力的な選択肢かもしれません。
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