ばんえい競馬をご紹介！海外の反応や蹴りの理由まで解説します

皆さんは、ばんえい競馬をご存知でしょうか。

ばんえい競馬は珍しい競争スタイルという事で日本のみならず世界からも注目されている競馬の競争です。

そんな世界的にも知名度の高いばんえい競馬ですが、世間からは「かわいそう」という批判を度々受ける事があります。

一体なぜばんえい競馬は批判にさらされているのか。

という事で今回は、ばんえい競馬がかわいそうと批判される理由をご紹介します。

ばんえい競馬の概要から、国内・海外での反応まで詳しく解説するのでぜひ最後までご覧ください。

※ばんえい競馬の予想に関しては「よく当たるばんえい競馬予想」の記事で解説をしています。

ばんえい競馬とは

ばんえい競馬は競走馬が最大で1トンにも及ぶ鉄製のソリを曳いて速さを競う競争です。

一般的なレースとは異なり、スピードに加えソリを曳くパワーや持久力などが求められます。

ばんえい競馬は人間が歩くより少し遅いペースで進められますが、力強い馬の走りは見応え十分。

馬と観客席の距離が近く、臨場感が魅力的です。

このような競争スタイルは世界でもばんえい競馬だけ。

北海道の帯広競馬場のみで開催され、唯一無二の競争となっています。

ばん馬と呼ばれる馬が出走する

一般的な競馬のレースは、サラブレッドという品種の馬が出走します。

ですが、ばんえい競馬は別。

ばん馬と呼ばれる、ばんえい競馬限定の馬が出走しています。

特徴はサラブレッドと比べて身体が大きいということ。

比較項目	ばん馬	サラブレッド
高さ	180cm	170cm
体重	800～1200kg	500kg
身体の特徴	首と胴が太い	脚が長い

体重に関してはサラブレッドの倍以上の重さを誇るばん馬もいます。

1トンものソリを曳くためにはこれくらい身体が大きくなければ難しいです。

スピードや俊敏性に優れるサラブレッドに対して、ばん馬はパワーとスタミナを持ち合わせている馬という違いを覚えておきましょう。

存続の危機を乗り越えた

70年以上もの長い歴史を誇るばんえい競馬。

世界的にも珍しい競争として注目を浴びてきましたが、過去には存続が危ぶまれた時期もありました。

それは2006年の時のこと。

売上減少が続き累積赤字が増大した事が原因で、帯広市が開催の継続に対して難色を示します。

そのため当初は廃止が濃厚とされていましたが、ファンや地元民から存続して欲しいという声が続出。

さらにソフトバンクの子会社が開催支援を申し出たという事もあり、一転して開催が継続される事となりました。

翌年2007年には、ばんえい競馬の一部業務委託をする「オッズパーク・ばんえい・マネジメント株式会社」を設立します。

マネジメントが円滑になった事で、個人や法人からの寄付が増え売上は右肩上がり。

2020年には、ばんえい競馬史上最高売上となる483億5278万円を記録しました。

ばんえい競馬がかわいそうと批判される4つの理由

一時は存続が危ぶまれる事があったものの、ファンの力によって継続となったばんえい競馬。

現在は、世界からも注目される存在となりました。

ですが、注目こそ浴びているものの度々批判にさらされる事があります。

特に「かわいそう」という声が多く、中には廃止を求める意見も挙がるほどです。

では一体なぜばんえい競馬が「かわいそう」と批判されているのか。

その大きな理由として以下の4つが挙げられます。

• 鉄製の重いソリを曳いて坂道を走る
• 能力が足りない馬は食用に回される
• 顔面を蹴られる事件が発生
• 過酷すぎるがあまり馬の死亡事故が発生

それぞれ詳しく説明していきます。

鉄製の重いソリを曳いて坂道を走る

ばんえい競馬は普通の競馬と走り方が異なるのが特徴です。

一般的な競馬のレースは、フラットなコースを走ります。

一方、ばんえい競馬は直線200m、幅1.8mで坂のあるコースで開催。

さらに、最大1トンにも及ぶ重いソリを曳きながら走らなければなりません。

そのため、馬にとっては過酷なレースとなりもがき苦しむ馬の様子を見て「かわいそう」と感じる方が多いようです。

能力が足りない馬は食用に回される

ばんえい競馬は成績不振の馬を屠殺するという事を正式に発表しています。

屠殺とは動物を食用や皮革などにするため殺すという事。

引退後は種馬に転身する事が多い中央競馬の馬とは異なり、ばんえい競馬の馬は悲惨な結果が待ち受けています。

さらにそれを後押しするかのように、ばんえい競馬は一般的な競馬と比べてレース間隔が短く、出走回数が多いです。

これだけ過酷な環境な上に、結果を残せなければ屠殺されてしまう。

この厳しい現実が、ばんえい競馬が「かわいそう」と言われる大きな理由となっている事は間違いないでしょう。

顔面を蹴られる事件が発生

ばんえい競馬が「かわいそう」と言われるきっかけとなった出来事があります。

それは2021年4月18日のこと。

この日は、ばんえい競馬デビューに向けて2歳馬のレース形式の検定が行われました。

そのレースで、鈴木恵介騎手とコンビを組んだドウナンヒメ。

出だしは悪くなかったドウナンヒメですが、第2障害付近で障害を越えられず地面にうずくまってしまいます。

ここで衝撃の行動に出たのが鈴木恵介騎手。

なんと、ソリから降りた後にいきなりドウナンヒメの顔を左足で蹴り上げたのです。

その後も鈴木恵介騎手は、ソリから降りては蹴るという事を繰り返す暴挙に出ます。

最終的にドウナンヒメは、係員によってその場から引き上げられ、レースに戻る事はありませんでした。

この映像は即座にSNSで拡散。

帯広市にも多くの抗議が寄せられるなど、大問題に発展しました。

レース後にドウナンヒメを蹴り上げた理由を聞かれた鈴木恵介騎手は「言うことを聞かなくてイライラした」と回答。

あまりにも身勝手な理由でありファンの信用を失う行為である事から、鈴木恵介騎手には厳重注意と戒告処分が下されました。

過酷すぎるがあまり馬の死亡事故が発生

ばんえい競馬では馬が死亡する事故が発生しています。

死亡事故が発生したのは、2018年3月25日第50回ばんえい記念レース。

ばんえい競馬の人気馬であるニュータカラコマが第2障害を通過した直後に足元をふらつかせ突如転倒します。

その後しばらくは脚をバタつかせていましたが次第に動かなくなり、そのレースは棄権。

身体が硬直状態となったニュータカラコマは懸命な救助活動が行われるものの、その後死亡してしまいます。

この悲劇に多くの競馬ファンが涙を流す事となりました。

死亡理由がなかなか公表されなかった事から、当初は必要以上に鞭を打たれた事が原因なのではないかと噂が流れます。

ただ、最終的には心臓発作が原因という事が発表され、この悲劇は幕を閉じました。

死亡事故という事でインパクトが大きかっただけに、ばんえい競馬が「かわいそう」と感じる競馬ファンが多かったようです。

ばんえい競馬に対する日本国内の反応

競馬における唯一無二の競争であり、死亡事故や蹴り上げ事件が発生するなど、良くも悪くも印象的なばんえい競馬。

そんなばんえい競馬は日本においてどのような反応がなされているのでしょうか。

大きく分けて以下2つの反応をご紹介します。

• 廃止しろという署名活動が行われる
• 馬がかわいいという意見もある

それぞれについて詳しくご紹介します。

廃止しろという署名活動が行われる

ばんえい競馬には様々な批判の意見が寄せられています。

特に「廃止しろ」という意見が多く、署名活動が行われるまでに発展した事もありました。

批判が強まる原因となったのは先述した「顔面蹴り上げ事件」。

この出来事を重く受け止めた動物愛護団体が署名活動を行い、帯広市に廃止の要望書を提出しています。

いくら競馬だからといって、馬に暴力を振るうのは決して許される事ではありません。

そのため、批判の声が生まれるのも当然の事と言えるでしょう。

馬がかわいいという意見もある

批判が多いイメージがあるばんえい競馬ですが、全てがそういう訳ではありません。

競馬ファンの中には、ばんえい競馬の馬が「かわいい」と称賛の声も挙がっています。

一般的な馬と比べて体重が重く身体が大きいイメージのあるばん馬。

ですが、実際は美形でおしゃれな馬が多く、花飾りを纏う事でかわいさが増します。

このギャップに胸を打たれる競馬ファンが多いようです。

ばんえい競馬に対する海外の反応

ばんえい競馬は国内のみならず、海外でも知られています。

世界的にも珍しい形式の競争なので海外では一体どのような反応がなされているのか気になるのではないでしょうか。

という事で、ここではばんえい競馬に対する海外での以下2つの反応をご紹介します。

• 動物虐待が闇深いと批判される
• 珍しさに興味を持つ人もいる

それぞれの詳細を説明します。

動物虐待が闇深いと批判される

ばんえい競馬は、全世界の中でも唯一無二の形式で開催される競争です。

そのため、1トンもの重さのソリを曳かせるという競争スタイルのインパクトは強いようで…

日本より動物に対する知見が発達している海外では動物虐待に感じてしまう方が多いようです。

また、この競争を黙認している日本の競馬業界は闇が深いと批判をする意見までもあります。

日本国内でも同様な意見は多いので、海外で問題視されるのは当然の事とも言えるでしょう。

珍しさに興味を持つ人もいる

海外では動物虐待であるという意見が多いですが、批判的な声ばかりではありません。

「競馬といえば展開が早いけど、ばんえい競馬は遅いから珍しい」

「ソリを曳くというまるでトナカイのような馬が北海道にいる」

以上のようにばんえい競馬自体の珍しさに興味を持つ海外の方も多いようです。

ばんえい競馬は、捉え方によっては心苦しい部分もありますが、競技としては魅力的な部分もあるという事が見て取れますね。

ばんえい競馬まとめ

今回はばんえい競馬が「かわいそう」と言われる理由をご紹介しました。

死亡事故や顔面蹴り事件など、心が痛くなるような出来事が発生したため、世間からの風当たりは強くなっています。

たしかに、馬の気持ちを考えると同情できる部分が多く、かわいそうに思うのも無理はないでしょう。

ですが、競技としては世界的にも珍しく魅力的な部分もあります。

それらの兼ね合いはとても難しい問題ではありますが、ばんえい競馬に所属する馬が少しでも幸せになれるような環境が整備される事を願いたいですね。

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